中国では革新的で便利なアプリやオンラインサービスが日々生まれており、 世界からも注目されています。しかし、中国のアプリは国内でしか使えないものも多く、WeChatやTikTokなど一部を除き日本ではあまり知られていないのが現状です。
今後、間違いなくデジタル化が進む日本でビジネスチャンスをつかむためには、中国で成功しているアプリやそのビジネスモデルについての知識を得ることは非常に有益です。 ここで、人気アプリ60個を厳選し、そのビジネスモデルや機能、インターフェイス、マーケティング施策、資金調達などのさまざまな情報を図解や画像を交えながらわかりやすく解説していきます。
口コミ、EC、SNS機能を持つ化粧品に特化した 情報アプリ
小紅書(RED)は、化粧品の EC &情報交換プラットフォームです。 わかりやすく表現すると、「@ cosme」と「インスタグラム」を掛け合わせたようなサービスです。
ユーザーは、SNS 機能を使い、主に化粧品の口コミやファッション、 ショッピングの情報、おすすめのお店の位置情報などを共有しています。
インターフェイスは、写真中心で、テキストよりも画像がメインに据 えられており、動画をアップロードすることも可能です。有名人はもちろん、個人でもカリスマ的人気を誇るユーザーがおり、 化粧品会社はそのようなトップユーザーに対してコラボの依頼をするな ど、企業のマーケティングの場としても活用されています。
また、EC サイトも用意されていて、小売店は小紅書内に出店す ることができます。 2018年には、直営の実店舗をオープン。顧客体験とブランド力向上に貢献しています。
ビジネスモデル
主な収益源:1)EC 収入 、2)広告料など
ニーズと成長の背景
小紅書の本質は、EC サイトですが、SNS のプラットフォームを提供することで、ユーザー数を増やしてきました。
タイムラインには、自分好みの投稿が表示され、購買に結びつきやす いのが特徴です。さらに、ユーザーの所在地を把握し、近隣の飲食店や店舗、イベントなどに関する投稿や広告を自動的に表示することで、ユ ーザーの購買行動に結びつけています。
アメリカ、イギリス、オーストラリアなどでもサービスを展開しており、これら海外ユーザーは高い影響力を持っています。
EC サイトは、日本の楽天市場のような小売店が出店する形式がメインです。簡単に価格を比較することができるようになっているため、 ユーザーは最も安い店舗を選んで商品を購入することができます。
また、実店舗では AR(拡張現実)技術を使ってさまざまなメイクを試すことができるなど、ネットとリアルを融合することで、ユーザーに多様な体験と利便性、楽しさを提供しています。
主な機能とUIの特徴
作者紹介
王沁(Alex Wang):中国陝西省漢中市出身。慶應義塾大学商学部卒。リクルートHD新規事業総括などを経て独立。現在は、華和結ホールディングスCEOとして、コンテンツ商社「JCCD.com」、AI・人工知能プラットフォームの「AiBank.jp」など複数の事業を経営している。自身の会社でアプリ開発も行っている。
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本記事は、王沁氏の新書『中国オンラインビジネスモデル図鑑』より抜粋したものです。
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