企業ニュース
世界のロボット掃除機市場、中国企業が主導 iRobotは5位に後退
米調査会社IDCは9月3日、2025年1〜6月の世界の家庭用清掃ロボット市場に関するリポートを発表した。家庭用清掃ロボット全般の世界出荷台数は前年同期比33.0%増の1535万2000台と堅調に伸びた。うちロボット掃除機は16.5%増の1126万3000台だった。

中国の石頭科技(Roborock、ロボロック)は、清掃ロボット全般で15.2%、ロボット掃除機で20.7%の世界シェアを獲得し、いずれも首位に立った。ロボット掃除機の出荷台数は67.9%増の232万6000台だった。同社はロボット掃除機の売上高でも10四半期連続で世界トップを維持している。
ロボット掃除機の世界シェア2〜4位は科沃斯(エコバックス)、追覓科技(ドリーミーテクノロジー)、小米(シャオミ)と中国企業が占め、5位に米iRobot(アイロボット)が入った。
芝刈りロボットの世界出荷台数は前年同期比327.2%増の234万3000台と爆発的な伸びを示した。とくに中国の九号機器人(ナインボット)やドリーミー、エコバックスなどが海外出荷を伸ばした。
IDCによると、2025年の世界の家庭用清掃ロボットの出荷台数は3210万台に達し、市場規模は着実に拡大していく見通しだという。
中国、デジタルインフラで世界をリード AI特許は世界の6割に
中国国務院新聞弁公室は8月14日、中国がデジタルインフラの規模や技術などで世界をリードする存在になったと発表した。6月末時点で、中国の5G基地局は455万カ所、ギガビットブロードバンドの契約件数は2億2600万件、演算能力の規模は世界2位となった。
中国は長年にわたる取り組みを経て、デジタル分野の一連の中核技術でブレークスルーを果たした。集積回路の分野では、設計、製造、パッケージング、テスト、装置、材料を網羅するサプライチェーンを構築した。基本ソフト(OS)分野では、華為技術(ファーウェイ)の「鴻蒙OS(Harmony OS)」のエコシステムにつながるデバイスが11億9000万台を突破、スマートフォン、自動車、家電など1200種類を超える製品に「インテリジェントコア」が搭載されている。
人工知能(AI)関連の特許数は世界の6割を占め、人型ロボットやスマートデバイスなどの分野でも技術革新が続く。6月末までに構築したデータセットは3万5000件余りに上り、AIモデルのトレーニングの基盤となっている。中国製AIモデルのトレーニングで使用される中国語データの割合は6割を超えており、一部のモデルでは8割に上るという。
アリババ傘下の高徳地図、AIで進化 行き先も提案する「考えるナビ」に
アリババグループ傘下の地図情報サービス「高徳地図」はこのほど、人工知能(AI)を導入したナビゲーションアプリ「高徳地図2025」を発表した。空間知能(Spatial Intelligence)の概念を導入し、空間と時間を統合的に捉える能力に加え、自律的な推論・意思決定能力を与えたことで、高徳地図2025は単なるナビアプリを超え、AI旅行エージェントに進化している。

たとえば、高徳地図2025に搭載されたAIエージェント「小高老師」に「子どもと高齢者を連れて3日間の杭州旅行に出かけたい」と話しかけると、ニーズの解析と推論を経て旅行プランを提示する。地図に表示された目的地をタップすれば、ルートを確認し、ナビに従ってその場所に向かうことができる。
また、ユーザーの現在地と現在時刻から潜在的なニーズを予測し、次の立ち寄り先を提案する。たとえば夕方であれば近隣の飲食店をレコメンドするなど、状況に応じたガイドが可能だ。
高徳地図によると、すでにスマートグラスや自動車、ロボット、ドローンなどを手がける複数のパートナー企業との連携を開始しているという。
アリババ、ボッシュと戦略提携を拡大 AI×クラウドで事業革新を推進
中国電子商取引(EC)大手のアリババグループは9月2日、独ボッシュとの戦略的パートナーシップを拡大し、AIとクラウドを軸にデジタルイノベーションの推進を加速すると発表した。両社はクラウド基盤の活用による企業運営効率の向上、AIによる製品・サービスの高度化、グローバルEC展開の強化を柱とする。
アリババの大規模言語モデル「Qwen」を活用し、ボッシュの自動車、産業、消費財領域の技術革新を支援する。特に自動車分野では、Qwenを用いたマルチモーダルモデルによるスマートコックピットの高度化や、自動運転のシーン認識精度向上を目指す。
さらに、両社はEC事業での協業も強化。ボッシュは中国市場での新製品投入に加え、アリババのグローバルEC基盤(Lazada、Miravia、AliExpress)を通じ、東南アジア、スペイン、ラテンアメリカへ販路を広げていく。
BYD、マレーシアにEV組立工場 26年稼働で東南アジア市場拡大へ
中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)は8月22日、マレーシアでEVセダン「SEAL(シール)」の新モデルを発売すると発表した。また、同国のペラ州タンジュンマリムの「KLK TechPark」にコンプリートノックダウン(CKD)方式の組立工場を建設し、2026年の稼働開始を目指すと明らかにした。新工場の建設は、BYDが掲げるグローバル化とローカライズ戦略を推進する重要な一歩であり、東南アジア市場での展開を加速させる狙いがある。
BYDは「新工場は雇用機会を創出するだけでなく、技術移転を促進し、現地のEV製造の専門能力を高めることにつながる。こうした波及効果によって、地元企業は世界的なEVサプライチェーンに参入する機会を獲得し、マレーシアは地域の自動車産業における地位をさらに強化することができる」とコメントした。
BYDは過去3年連続で、マレーシアのEV市場で販売台数首位を維持している。なかでもSEALは2024年のEVセダン市場で販売台数最多を記録した。新工場建設で、市場をリードする立場が一層強化される。現在、BYDおよび傘下の高級ブランド「騰勢(DENZA)」の販売店は、マレーシアに計43店舗ある。
零跑汽車、スペインで欧州向けEV生産へ ステランティスとグローバル展開加速
中国の新興電気自動車(EV)メーカー「零跑汽車(Leapmotor)」が、スペインのサラゴサに欧州向けの生産拠点を設ける。欧米自動車大手ステランティスの完成車工場を活用する。中国メディアの国際金融報が報じた。
工場の改修完了後は、グローバル市場向けに開発した「B」シリーズの生産を2026年7~9月期に開始する予定で、まずはコンパクトハッチバック「B10」を、次にコンパクトSUV「B05」を生産する計画だという。B05は、独ミュンヘンで開かれた国際自動車ショー「IAA Mobility 2025」(9月8日〜14日)で世界初公開されたばかり。中国国内の販売価格は10万元(約210万円)以下、欧州では3万ポンド(約600万円)以下になると予測されている。
ステランティスは零跑汽車の大株主であり、海外市場拡大の中核パートナーでもある。両社は4月、ステランティスがマレーシアに持つ既存工場(ケダ州・グルン)を改修し、零跑汽車の現地生産拠点を設けると発表した。初期投資額は500万ユーロ(約8億7000万円)。年内に中型SUV「C10」の生産を開始する計画だという。
中国の自動車市場の競争が白熱化するなか、自動車メーカー各社はより大きな成長を求め、海外市場の開拓を加速している。現地生産は関税や輸送費などの制約を受けないため、海外事業の収益力向上を図る重要な手段となる。零跑汽車の2025年1~6月の海外販売は2万375台にとどまったが、現地生産が始まれば海外販売が急速に伸びることが予想される。
投資と資金調達
奇瑞汽車、香港市場に最大規模IPO 輸出拡大と高成長を背景に
中国自動車メーカーの奇瑞汽車は7日、香港取引所の上場ヒアリングを通過した。同社の新規株式公開(IPO)は自動車企業の香港上場として、ここ数年で最大規模になる可能性があるとの見方も出ている。

中国証券監督管理委員会は8月末、奇瑞汽車について、境外(外国と中国香港・マカオ・台湾地区)での株式上場および本土での全未上場株の流通株への転換届出通知書を発行している。奇瑞汽車は最大約6億9900万株の普通株式を発行して境外で上場させるほか、株主18名が保有する計20億1600株近くの本土未上場株を境外上場株式に転換し、香港取引所に上場、流通させるとしている。
奇瑞汽車の2024年の売上高は前年比65.4%増の2698億9700万元(約5兆6700億円)、純利益は37.2%増の143億2400万元(約3000億円)だった。販売台数は38.0%増の260万4000台で、過去最高を更新した。輸出台数は21.0%増の114万4000台に上り、100万台を突破した。
等身大「パンダ型AIロボ」で話題、シードラウンドで数百万ドル調達
人工知能(AI)を搭載したコンパニオンロボットや玩具ロボットを開発する「人工生産力(Artificial Productivity)」がこのほど、シードラウンドで数百万ドル(数億円)を調達した。出資者は、阿米巴資本(Ameba Capital)、AI大手の商湯集団(センスタイム)傘下の国香資本(Sense Capital)および第四範式(4Paradigm)の傘下ファンド。

人工生産力は2024年に設立され、パンダ型で等身大のAIコンパニオンロボットを発表したほか、近く子ども向けAI玩具ロボの発売を予定している。同社は「玩具の本質は面白さ」をモットーに、大規模言語モデル(LLM)技術を利用して、従来型玩具産業の行き詰まり打破を目指す。
AI玩具ロボにはマルチモーダルな対話機能や感知機能、ユーザー行動予測機能などを搭載し、それぞれの子どもに合わせた遊び方を提供する。国際的な玩具OEMと提携することで、製品の外観設計と構造を最適化すると同時に、コストコントロールを図るという。
創業者の涂威威氏は、南京大学人工知能学院を卒業し、第四範式でチーフサイエンティストを務めた人物。開発チームは、主に清華大学や北京大学、復旦大学などの出身者で構成され、ソフト・ハードウエアの開発から実用化まで豊富な経験を有している。
自由度の高いロボットハンドで世界トップシェア、エンジェルラウンドで数十億円調達
高性能ロボットハンドを提供する中国スタートアップ「霊心巧手(Linkerbot Technology)」がこのほど、エンジェルラウンドで数億元(数十億円)を調達した。中国金融大手のアント・グループが出資を主導し、中金資本(CICC)や既存株主の紅杉中国(HongShan、旧セコイア・チャイナ)のシードファンドなども参加した。資金は、技術力の強化やエンボディドAIのデータ収集拠点建設に充て、ロボットハンドの実用化を加速する方針。
2025年は人型ロボット量産元年とされる。ロボットハンドはロボットのきめ細やかな操作の決め手となる「エンドエフェクタ」の役割を担うため、開発メーカーが急成長を遂げている。霊心巧手は23年に設立され、ロボットハンド「Linker Hand」シリーズのほか、モーションキャプチャによる遠隔操作システムなどを開発し、企業や研究機関、個人開発者向けに提供する。
Linker Handシリーズの主力製品は自由度が20軸以上。マルチセンサーやクラウドとの連携、独自のフレキシブル関節モーターなどが強みで、自動化や医療、サービスロボット、研究開発、特殊分野などで活用されている。現在の月間受注台数は1000台を超え、出荷台数は世界の高性能ロボットハンド市場の8割以上を占めるという。
同社は7月末、上海市で開かれた「世界人工知能大会(WAIC2025)」で産業用ロボットハンド「Linker Hand L6」を発表した。自由度は能動自由度6軸を含む12軸。高度に統合された駆動・制御一体型設計となっており、高い柔軟性と把持力で産業の現場のニーズに応えられる。
(36Kr Japan編集部)
